「生活者輸送支援サービスプロジェクト」という名称で2002年度予算として国土交通省が予算要求をした結果、5800万円の予算がつき、実証実験に入ることになった。料金は基本的にタクシー料金に準じ、ハイヤーのようには高くしない。事業者が特定の運転手を指定する方式とし、5人でも10人でも決まった運転手なので、利用者からみると信頼がおける。
サービスの内容は送迎と関連サービスの提供である。関連サービスとしては、荷物持ち、買い物や電気製品の操作の手伝い、レストランの紹介など様々なコンシェルジェンサービスが可能である。
このビジネスモデルでもう一つ重要なのは運転手のサービスの質である。単なる運転手ではなく、例えば会社の管理職をやっていたとか、そういう人になってもらった方がいいのかもしれない。
とにかく人材養成と訓練が非常に重要になる。国の実証実験が二段階にわたって行われた。
プレ実験は実験期間2002年8月19日から10月19日まで62日間、モニターは東京中心に32人であった。非常にわずかだが、実証実験をしたらどうなるかをまず試した。
利用実績は参加モニター168人、延べ利用回数72回であった。本格実験は2003年1月31日から4月30日の90日間で、モニター406人、利用実績参加モニター123人、延べ利用回数回77回であった。
総利用回数のうち子供の送迎が141回で最も多い。それから通院家族送迎が88回、乗降補助・荷物運搬が73回、通勤・業務66固などが続く。
つまり、子供や足腰が悪くて一人での乗降・移動に不安がある場合の利用が多かった。こうした移動の補助・支援へのニーズが高いことが分かる。
特に子供の送迎はベビーユーザーが多く、強いニーズとウォンツがあると推察される。これ以外に全国各地でも実験的な展開が始まっており、うち最も具体的なのが北海道の伊達市の例である。
実験期間は2003年9月1日から10月22日の61日間で、モニター199人、利用モニター123人、延べ利用回数455回である。東京に比べて人口が約1000分の一のところでこれだけの成果を上げており、非常に評価が高かったようである。
60歳以上に限定したこともあり、通院や買い物などの利用が多かった。週を追うごとに利用は増えた。
つまりサービスについての認知度が高まるほど利用が増えたということで、非常に好評であった。2004年度には事業化を検討している。
長野市は市町村合併で市域が大きく拡大するのに伴い、生活者のライフラインとしての地域交通サービスをどう提供するかが課題になっている。商業区、住宅地区、郊外、過疎区のそれに固有のニ−ズとウォンツがある。
これを「ライフモビリテイ」と呼んでいるが、ライフモピリティ・サービスはそうした多様なニーズに応えるモデルを提供し得る。
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